与祝の色彩、片山みやび展
瀬戸内国際芸術祭2022にもご出展中の、片山みやびさんの個展に伺ってきた。
あらかじめ与えられた、あらゆる、湧き上がる祝祭を見い出せる場だった。
ピスタチオのムースにフルーツゼリーがあしらわれたかのような、fruitfulなカード
彩り豊かな、朝露のように瑞々しいガラスパーツを、まるで絵の具のように自在に重ね、散りばめておられた。
たとえば京友禅の絵付け前の、色見本のように品が佳くて、なよびかな色彩たち。
グミの大袋を見て心躍らせたときの、おさなごころの世界線も立ち昇る。
あるいは、ラドロズリーの店先の、ニュアンスあるアクセサリーパーツのような顔だちにも見える。
生クリームをたっぷり、スパチュラで塗ったようなベースに、アイスバブルのように重なり合ったガラスたちがあそぶ。
お誕生日ケーキみたいなラブリーさ
影までかわいらしい
朝陽、お昼間、夕暮れのひかりの下でも眺めたくなった
シェーンブルンのテレジアイエローを想わせる、黄色のトーンが通奏低音に感じられた。美しくて印象的
(こういうとろふわオムレツ、ありますよね。)
レモンジュレみたい
花のかんばせのようでいて、宇宙的でもある
たとえばシャンパンの泡。シャボン玉の連なり、雨粒の描く水紋、雨上がりの木々に残る雫の光。そうしたあらゆる運動体を、標本にしたててしまったかのような。
ガラスはアモルファス、液体であり個体だという。さまざまな時の流れを同時に留め、光を透過させる物質を介してみやびさんが綾なす美を、ガラス体という眼球を通して感得する贅沢なひととき。
日常の愛でかたって、こういうことだ。
10/29まで、大阪駅前ビルのギャラリーで開催中とのこと。
片山さんに出遭わせてくれた、Iちゃんに改めて感謝だな。
『うちに帰ろう』
2022年10月22日(土)〜2022年10月29日(土)
11:00〜19:00(最終日17:00まで)
会期中無休
ギャラリーら・む〜
06-6344-7603
アイスバブル
片山みやび さん
公式ウェブサイト
11/6まで、瀬戸内国際芸術祭2022(小豆島アートプロジェクト)でもご出展中
(秋)9月29日〜11月6日
ジョルジュギャラリー&コヒラカフェ
香川県小豆郡小豆島町馬木36-2(馬木バス停降車すぐ)
*高松市美術館のミュージアムショップでも、アクセサリー作品などを会期中扱いあり
「瀬戸内国際芸術祭2022が4月14日から開催されます。壁画と作品展示によって構成されたコヒラカフェ(ヘルシーなドリンクと料理)。 」
12月には、銀座「創英ギャラリー」でご開催予定とのこと。
個展 『うちに帰ろう』
12月12日(月)〜17日(土)
10:30~18:30(土曜日は17:00まで)
東京都中央区銀座7−2−6 銀座アステルビル1F
03-6274-6698
グミ
ラドロズリー