自分の名前も忘れるほど

あめちかる storyteller 鳥山美由紀( とりやまみゆき Miyuki TORIYAMA ) のブログです。

14人の演算

はじめてそこにたどり着いた時は、昇りのエスカレーターを使った。商業施設ならではの、フラットに白く強く光る壁面と天井。その白はまず水平に、重厚なホテルロビーのような木目調と、照度を落としたオレンジ色の照明に切り取られた。エスカレーターが到着するまでの間、茶とオレンジの重厚感ある彩度の面積が視界にどんどん占められる。立ち昇る空気感に、驚きと安堵したこととを覚えている。

 

梅田蔦屋書店。


代官山蔦屋書店さんに似ている、と思ったら同じ設計の方の手によるものだった。

代官山は車寄せのある、いかにも紳士淑女のための会員制クラブを彷彿とさせる瀟洒な建築なのだけれど、絵本コーナーも充実。業界でも指折りの絵本の選書のプロに、拙作も選んで頂いていると知った時は嬉しく思った。

 

https://store.tsite.jp/daikanyama/

タブレットを使った注文をした体験は、こちらのカフェが初めてだった


閑話休題

梅田蔦屋書店さまは、今月で七周年を迎えられた由。初号機にあたるシャープ製の計算機はじめ万年筆など、ディスプレイの彩りがmature。かと思えば、若者向きという認識のスタバが搭載されてもいた。


驚いたのは、コンシェルジュの存在だ。

図書館でいうところの司書さんのように、「こんな感じの本を探している」と相談すれば、「ググる、タグる、タブる」を超越した演算によって、レコメンドしてくださる。

知らない単語を、検索することはできない。「わたしが知らない知りたいこと」というタブに、一気に接続してもらえるのだ。


そんなコンシェルジュのお声から生まれたらしい「梅田蔦屋書店マガジン」創刊準備号。今なら、店頭で配布しておられます。

 

f:id:amechical:20220528132618j:image

これによると、コンシェルジュは14人おられるらしい

 

個人的には、入居されている施設自体は稼働していない早朝からも、開いておられるのがありがたかった。朝から本にまみれる、という至福と愉悦。しかも、静かな落ち着いた佇まいの中で。

1日あたり84.5万人が利用するという、ターミナル駅前なのに。


スタイルある生活を標榜するメディアとして、ロケーション産業である書店さまの担うものは可能性しかない。

可処分時間の奪い合いとなるこの時世における物理空間の行方は、ショーケース化だけではない。

そこは偶有性の海だ。Bespoke.


https://store.tsite.jp/umeda/about/

 

#梅田蔦屋書店