自分の名前も忘れるほど

あめちかる storyteller 鳥山美由紀( とりやまみゆき Miyuki TORIYAMA ) のブログです。

アーティストは、人類の触角担当

特別展「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」。大規模改修につき、メトロポリタン美術館の主要作品が、一挙来日というふれこみ。よりすぐりの名画65点、うち46点が日本初公開と話題の展覧会に伺ってきた。

 

展覧会の公式サイト

https://met.exhn.jp/

 

やはりアーティストは、人類の触角担当。
ビジョナリーであり、美術館は人類の獲得してきたビジョンのアーカイブ。当時の気風に同期できる装置だと改めて。


テンペラから油絵、板からキャンバスという素材&技術にアップデートされることで、描きこまれる情報量も激増。
重要なものを大きく、そうでないものを小さくという情報処理ではなく、遠近法を導入するという視座、それは文字通り革新。


いうなれば、それまではアバター扱いだった信仰の対象たち。この世ならざるもの、それがデフォルトだった。

それらが自分達と同じ人間の外観で、立体的な造形に描かれ、自分達の生きる現実世界と同じような環境下に等身大で描かれる。自分達と同様の血肉を帯び声を持ったような感覚。それは例えばCG合成のようなことだったろう。


フラ・アンジェリコは例えるなら世界初のCGが使われた際の衝撃を、当時のソフィスティケート層にもたらしただろう。それが価値観や言説、主語、対話の対等性、社会構造のデザインなどにも大きな影響を与えたことは、想像に難くない。


意志決定層に直接、ビジョンやコンセプトというメタを提示できる座標。そこにアーティストを、この時代にも取り戻したい。


プロパガンダやマネロンのツールではなくて、この世に5%しかない原子由来の物質以外の「95%」を体感し、感応させる媒介者として。

 

「人か、人以外か」という観点からも視た。
たった500年間で、いかに人々の意識の位相、環世界とそのありかた、それに伴っていかに時代が変わったかがコンパクトに俯瞰できた。

会場の大阪市立美術館の美しさと堂々たる佇まいも、堪能。

 

大阪展は2022年1月16日(日)まで
大阪市立美術館(天王寺公園内)
オンラインチケット(日時指定予約制)の販売
https://met.exhn.jp/ticket

 

*東京展は2022年2月9日(水)-5月30日(月)・国立新美術館(東京・六本木)

 

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