自分の名前も忘れるほど

あめちかる storyteller 鳥山美由紀( とりやまみゆき Miyuki TORIYAMA ) のブログです。

定性評価装置としての小説の真骨頂

読書好き、のはずがまさかの「チェーホフ」初読の令和元年師走です。
百年を越えて読み継がれ、上演され続ける理由が判りました。

伝統的工芸品もそうですが、「百年」という時間を超えてなお選ばれるもの、残るものには普遍性が担保されていると改めて。だてじゃないですね。

何も起こらない、向き合わない。
感情や世相までhackしてしまう淡白な筆。
人情の機微、俗物という人間らしさ、普通という名の不可思議を、デッサンのような瞬発力を持ち合わせつつ微細に解剖してしまっている。
そんな印象を持ちました。

ビスコンティの名作「山猫」でも、時代が激変するただ中に自分が生きている事実を、頭では明確に理解しつつも変われない貴族の姿が活写されていたのですが、「三人姉妹」にも通底する匂いを感じました。