24日まで建仁寺で開催中の、メディアアートを鑑賞しました。土佐尚子先生の作品を拝見するのは実ははじめて。
この"sound of ikebana"を拝見してすぐ、思い浮かんだのは写真家のHASHIさんの"アクションスティルライフ"シリーズです。
今ではすっかり既視感のある、ビール缶などに水しぶきが弾け散るスチール写真。この、液体が見せる"1万分の1秒"の造形をエイトバイテンでとらえた先駆で40年、アメリカの広告写真の第一線で活躍する巨匠です。
HASHIさんは存命の写真家で唯一、東京写真美術館で個展が開催されたほどのトップアーティストですが、気さくでヘルシー。自ら作品解説をしてくださいました。
私が伊勢型紙のプロデュースを手がけていた折はGRで撮った広告写真に「もっと綺麗に撮さないとだめだ!」とすぐに撮影してみせてくださいました。手練れの居抜きを目撃した想いがしました。
そして、素人にも真摯に対してくださる誠実さに感銘を受けました。青山で「僕いっつも仕事してるんだ」と、呼吸をするように撮影しておられた姿は少年のよう。
土佐尚子先生とHASHIさんの共通点は、気さくでチャーミング、そして笑顔が実に福々しいこと。土佐先生の第一印象は"観音様"でした。
華々しいご経歴と国際的に通用する実力をお持ち、そんな超一流のかたほど、人としても美しいのでしょう。
とりやまみゆき