これは同窓会の案内に掲載したい、とのオファーを受けて描いた作品です。
大阪城の梅林を愛でた写真を参考に筆ペンで一気に描き上げました。下書なしなので、線の勢いは我ながら面白いなと。
同窓会といえば、ついつい「あのときが一番楽しかった」というような話になりがちではないでしょうか。思い出は美化されるものです。
私がこの作品に込めた想いは「わたしたちは、余白を充たしている途上」ということです。
身体的にはいわゆる生身を授かった以上、年々、衰えや老いを感じる現象が起きるのがデフォルト。
これを「身体的な若さを失う」、「あとは老いるだけの下り坂」というように捉えるのか、「余白を充たしている最中」「順調に年を重ねている」と捉えるのか。
香道では「香、満ちました」のひとことで会を閉じるそうです。
香が満ちていく最中の私、そのような心柄でありたいものです。
とりやまみゆき
Miyuki TORIYAMA