建築が好きだ。旅するときは、建築を目的に旅程を組む。散策でも建築に目が留まる。
建築界のノーベル賞ことプリツカーを磯崎新さんがご受賞された。建築家の方の真骨頂は「説明/説得できるスキル、胆力」だと推察している。コンペでは説明、現場では様々な持ち場やバックグラウンドの方々を説明/説得する日々は想像に難くない。
先日、日本人初の国際宇宙ステーションのコマンダーを務められたことでも知られる、宇宙飛行士の若田光一さんと少しお話できた。その際も同じことを思った。
若田さんがコマンダーとしてISSにおられた当時は国際状勢が緊迫したことで、影響を受ける国を含めた15ヵ国で運営するISSのミッションにも支障が出るかもしれない、と誰もが頭をよぎった。ミッションに関わる人々、そのご家族の心中は察するに余りある。
究極の指揮官の資質とは、「この人がいるなら」と納得させられる、問答無用の安心感と同時に畏怖だと感じた。
とりやまみゆき
Miyuki TORIYAMA