「第12回宇宙ユニットシンポジウム」のテーマは「人類は宇宙社会を形成できるか」でした。
「宇宙社会」形成の議論を拝聴していると、かつてオックスフォードで視た欧州最古の図書館「ハンフリー図書館」を思い出さずにはいられなかった。
宇宙という未知の領域についての議論の真骨頂は、「人類」あるいは「地球」を主語として編まれることだと。
https://www.bodleian.ox.ac.uk/bodley/using-this-library/rooms/dh
欧州最古の図書館それは、神学部のための図書館。それは神と王、神学者のみの最高機密情報機関の中核。この世の理(ことわり)を言葉で編み、研究し、人類が生き延びるため、次世代に継承するための機関。
ここも、神や人が主語で語られていたデータセンターだったのだ。
見学した際のガイドの説明によると、彼らの革新は図書館の書架のデザインそのもの、とのことだった。神の言葉=書物を本棚に並べ、その対面に机と椅子を一体化させて直接、研究者が閲覧できるようにしたそのスタイル自身がイノベーションだったとのこと。
宇宙移住計画が現実性を帯びてきた現代にあって、「人類」を主語にする場が現出していること。問いを立てる役割が肝要、それこそアートの出番だと改めて。
とりやまみゆき
Miyuki TORIYAMA